大原八幡神社は約1700余年、地域の守護神として人々の厚き崇敬を集め現在の発展に至っております。

〒800-0344

福岡県京都郡苅田町新津1427

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古くは荒津とも書いた。貫山の東に連なる高城山の東南麓、小波瀬川下流左岸に位置する。

地名の由来は、「地名辞典」には「古ハ新津ノ南ニ江湾アリシト云ウ」と見え、奈良期～平安初期に豊前・豊後の三津の一つとして栄えた南西の草野津が土砂堆積のため衰えたあと、新たにおこった津の意とみられる。

大原八幡神社一の鳥居までが、古代の波打ち際です。字名の中に文ノ浦・伊ノ浦・宮ノ浦・大浦のほか島田・喜衛門新地・大新地・浜田などがあるのはそのためであろう。

古道・古茶屋・往還などの交通に関する字名の存在も関連があろう。

平安後期から末期には、新津保（ほ）となり公領の荒廃地を有力者に雑役を免じて開発させたもので、荘・郷・保と並称された。

公領開発のための特別行政区となる。また、小字の数が多く、中でも宗教関係の小字が多いのも古い集落であることを示す。字恩塚の大原八幡神社境内の恩塚古墳は六世紀後半の築造とされ、地内には古墳が多い。

荒津別府　鎌倉期～戦後期に見える別府名。豊前国京都郡のうち、宇佐弥勒寺領。荒津荘とも見える。

鎌倉初期成立の宇佐弥勒寺喜多院所領注進状には、荒津別府四〇町があげられている。

また建久図田帳には、京都北郷にある弥勒寺の加納得善名の一つとして荒津四郎丸四〇町があげられている。

荒津別府と同一地域と思われる。承久二年弥勒寺を管領する石清水八幡宮の検校善法寺祐清は、荒津荘を子息の長寿法眼（長清）に譲り、文永七年にはその孫玄親の知行するところであった。

南北朝期、田原正雲（直貞）の苅田荘地頭職に対し、荒津大和孫太郎らが所務濫妨をしており、のち田原千代若丸に荒津の内二〇町が預け置かれた等古文献にある。

新津村　江戸期～明治二二年の村名。京都郡のうち、小倉藩領。新津手永に属す。

村高は、「正保国絵図」七一〇石余、「元禄国絵図」六九五石余、「天保郷帳」一、一八四石余、「旧高旧領」八〇三石余。元和八年の家数一三三、人数二四六（男一二五・女一二一）、牛二四、馬八、坊主・神主がいた。

新津手永の大庄屋が移住した。幕末期に当村の東部街道沿いの地を下新津村として分村。

享保飢饉の餓死者は一八五人。字恩塚の大原八幡神社は、社伝では豊国々造大原足尼命を祀る。

天保八年の飢饉の時、社前で新津手永各庄屋ほか一五七人が粥施行を行った記録が残る。

字妙見に大祖太神社、字寺屋敷には浄土宗鎮西派清林寺があり、享保飢饉の新津手永の餓死者一、八七九人（男一、〇六二・女八一七）の墓・過去帳がある。

字井上屋敷の真宗大谷派真念寺は明応七年井上順誓の開基と伝え、もと法光寺と並立していたが、慶長一〇年真念寺と改称したという（昭和四一年行橋市へ移転）。

慶応二年九月三日豊長戦争の激化に伴い藩の野戦病院が当村に置かれた。

明治三年の戸数八六・人口四〇二（男二〇一・女二〇一）。同七年の地租改正に際して二崎村を分村。

同一八年の地積は田六四町余・畑二〇町余・宅地五町余。同二二年小波瀬村の大字となる。

江戸期の手永名。小倉藩領における広域行政区画である手永の一つで、大庄屋が置かれた。

豊前国京都郡のうち、当手永に属する村は、慶応二年には雨窪・苅田・浜町・堤・光国・馬場・南原・集・尾倉・与原・新津・片島・岡崎・葛川・稲光の十五か村。

明治三年には片島村が上片島・下片島の二か村に分かれ、また新たに松山村が加わって十七か村、戸数一、〇一五・人数、四、七七七。なお、元和八年では、雨窪・苅田・浜町・堤・光国・馬場・南原・集・尾倉・与原・新津・堅島・葛川・稲光の十四か村が記録され、大庄屋のうち堅島四郎左衛門・稲光五郎兵衛・雨窪二右衛門の名が見える。大庄屋は、文久元年には新津喜平次の名が記載されている。

新津　明治二二～現在の大字名。はじめ小波瀬村、昭和三○年からは苅田町の大字。

明治二二年の戸数九七・人口六二三（下新津・二崎を含む）。地積は田六四町・畑二〇町・山林九八町・雑種地三四町など計二二九町。同二八年鉄道（現日豊本線）開通。昭和九年日豊本線から苅田港への引込線が開通、小波瀬信号所が設けられ石炭輸送を開始。同二三年信号所が小波瀬駅（現小波瀬西工大前駅）となる。

当時の工事に大原八幡神社の木材を大量に提供した。同三〇年以後は町の市街化区域となり、同四二年西日本工業大学設立、近年急速に宅地の造成が進み大規模な住宅地となる。

（参考文書　角川日本地名辞典　福岡県）